樹上性

    コバルトツリーモニターの飼育ガイド:飼育環境・現地情報・おすすめ器具紹介

    1. コバルトツリーモニターとは

    コバルトツリーモニターは、カラフルな青い体色と美しい模様が特徴的なツリーモニター所属の爬虫類。 学名Varanus macraei、ペットとして人気がある。飼育ケージには高さが必要

     

    2. 原産地の情報

    コバルトツリーモニターはインドネシアのバタンタ島が現地。熱帯雨林に属しており、現地環境に適したもので健康的に飼育することが必要

    • 気温:平均気温は25~30℃で、夜も20℃を下回らないのが一般的。
    • 湿度:高濃度の環境が適している。スコールの再現用に自動の散水機も設置してる
    • 照明:日光の多い場所で、樹木の陰や下草の間で過ごすため、適切なUVライトが必要。

    3. 飼育環境

    飼育ケージ

    コバルトツリーモニターは樹上性のため、高さのあるケージが必要。幅90cm・ケージの高さは最低でも90cmがおすすめ。また、通気性以上を確保するため、メッシュの部分ケージがあるなら良い。

    温度管理

    温度は本質的に近い環境を目指す。

    • バスキングスポット(暖かい場所):30~35℃
    • ケージ全体の平均温度:25~28℃
    • 夜の温度:20~25℃

    温度を維持するためには、ヒートランプセラミックヒーターを利用すればよい。

    また、夜間の冷えが心配な場合は、保温用のヒーターを用意することをおすすめ。

    照明

    コバルトツリーモニターは日光浴が必要なため、UVBライトを設置。日光を直接浴びることでビタミンD3の生成を促し、カルシウムの吸収を助ける。

    • おすすめ:UVB10.0~12.0の出力があるライト

    湿度管理

    定期的にケージ内に霧吹きを行ったり、湿度計を設置して管理するなどの工夫が必要。

    うちでは加湿器をタイマーにセットし自動で湿度管理する方法をとっている

     

    レイアウト

    樹上性のため、登れる木の枝や観葉植物をケージ内に設置しましょう。また、隠れ家となるシェルターを用意することでストレスを軽減できます。

     

    ハンドリング

    樹上性のため、爪がめちゃくちゃ鋭いんで、つきささる。

    掴んじゃえば意外とおとなしい、観念してるだけかも

    手袋必須、けど無理に触る種類じゃないと思ってる

     


    4. 餌と水

    • :主に昆虫食で、コオロギ、デュビア、シルクワームなど
    • ウズラやモニターフィードもけっこう食べる
    • また、バランスを考えてカルシウムやビタミンを補うためのサプリメントをふりかける
    • :水入れを設置し、新鮮な水を常に用意
    • うちの子は見られてると食べないから見て見ぬふりしてるとこっそり食べてる(かわい

    5. おすすめ飼育器具

    ケージ

    • 高いさがあり、通気性の良いメッシュケージ
    • サイズ例:90×45×90cm以上のもの
    • 基本的には自作ケージになると思う

    床材

    • ヤシ殻:湿度管理に適する

     

    • ペットシーツ:別の器具などで湿度管理できる場合はこれでも

    メンテが断然楽

     

     

    温度管理

    • バスキングライト:高温スポットを作るために必須

     

    • セラミックヒーター:夜間や気温が低い場合の保温用

     

    • 温度計・湿度計:ケージ内の環境を常に確認できるもの

     

    • 加湿器:タイマーで管理して加湿
    • (午前中4時間に1回10分加湿・午後2時間に一回10分加湿)
    • 散水
    • (2時間に一回60秒散水)

     

     

    照明

    • UVBライト:10.0~12.0出力のもの

     

    • ライトはケージの外に設置できるものがおすすめ
    • 下記の商品は紫外線とバスキング両方まとめていけるからおすすめ

     

     

    その他

    • 登れる枝や流木:コバルトツリーモニターが登れる環境を整えるため

     

    • シェルター・隠れ家:ストレス軽減のため

     

    • 加湿器とタイマー

     

    おすすめレイアウトのポイント

    1. 高さを活かしたレイアウト

    コバルトツリーモニターは樹上性のため、ケージの高さを最大限に活用することが大切です。以下のようなアイテムを取り入れてみましょう。

    • 太い木の枝・流木:ケージ内に複数の木の枝や流木を立てかけたり、斜めに配置することで、登れる空間を作ります。モニターが登りやすいように、縦方向だけでなく横にも枝を配置してあげましょう。
    • 植物のレイアウト:ケージ内には、観葉植物(生体または人工)を配置し、自然の樹林環境を再現します。モニターが隠れるための視覚的な障壁にもなり、ストレス軽減に役立ちます。

    2. バスキングエリアの設置

    ケージの高い位置にバスキングライトを設置し、その下に木の枝や流木を配置して「バスキングスポット」を作ります。モニターは暖かい場所で体温を上げる必要があるため、ライトの直下で日光浴ができるようにします。

    • バスキングスポットの温度:30~35℃を保てるようにヒートランプを設置しましょう。枝の位置を調整して、モニターが好きな高さで日光浴できるようにします。

    3. シェルター(隠れ家)の配置

    シェルターや隠れ家を作ることで、モニターが安心できる場所を提供します。ケージの高い位置と低い位置、両方にシェルターを用意すると、モニターが自分の好きな場所で休むことができます。

    • 木の皮やコルクボードを使用して簡易的な隠れ家を作るか、市販のシェルターを配置します。
    • できるだけ自然に近い形で配置し、視覚的にもリラックスできる場所にすることが大切です。

    4. 水入れと湿度管理

    モニターが水を飲むだけでなく、湿度管理にも役立つため、大きめの水入れを用意しましょう。また、湿度を維持するために定期的に霧吹きを行うか、自動ミストシステムを設置するのもおすすめです。

    • 水入れはケージの低い位置に置き、こぼれても掃除しやすいように配置しましょう。

    5. 底材の選定

    底材には保湿性が高く、メンテナンスしやすいものを選ぶと良いでしょう。

    • ココナッツピートモス、パームシェルフレーク、樹皮チップなどは、湿度を保ちやすく、清掃もしやすいです。
    • 底材は5~10cm程度の厚みで敷くと、湿度の保持や、見た目の自然な雰囲気を作り出すことができます。

    6. 温度計・湿度計の設置

    ケージ内の温度と湿度を管理するために、温度計と湿度計は必ず設置しましょう。これらは異なる高さに2~3箇所設置することで、全体の環境を正確に把握することができます。


    レイアウト例

    • ケージ上部:バスキングライトを設置し、その下に太い木の枝や流木を配置。バスキングスポットの周りに植物をレイアウトし、自然な見た目を再現。
    • ケージ中間部分:モニターが休めるように水平に配置した枝や、隠れるための葉を多めに配置したエリアを作る。
    • ケージ下部:シェルターや水入れ、底材を敷いて湿度の保持に努める。水入れはこぼれないように安定した場所に置き、掃除しやすいように配慮する。

    繁殖について

    この記事は、ドイツのケルン動物園とチェコのプルゼニ動物園において、コバルトツリーモニター(学名:Varanus macraei)の繁殖に成功した実例をもとにまとめたものです。

    繁殖に使用された個体

    ケルン動物園

    • メス:全長850mm(頭胴長275mm)
    • オス:全長930mm(頭胴長290mm)

    プルゼニ動物園

    • メス:全長920mm(頭胴長300mm)
    • オス:全長990mm(頭胴長330mm)

    ※頭胴長は頭の先から尾の付け根までの長さを指します。

    飼育環境

    ケルン動物園

    • ケルン動物園では、サイズ200×100×70(長さ×幅×高さ)のガラスケースで飼育され、一般公開されていないバックヤードで管理されていました。
    • 飼育エリアには、大きな枝やコルク管、南カリマンタンやベサール山で確認されたフィカスなどの植物が配置され、床材にはパインバークが使用されていました。
    • 照明は、54Wの蛍光灯2本と100Wのバスキングランプ2本が使用され、UVライトも適切に供給されていました。
    • 照明スケジュールは明13時間:暗11時間で、時には雲を再現するため一部の照明が消灯されることもありました。
    • 温度は29℃〜32℃に設定され、光直下の最高温度は40℃に調整されていました。湿度は約70%に保たれていました。
    • 産卵用の床材は、ミズゴケ、砂、腐葉土を1:1:1の割合で配合しています。
    • 餌は週5回与えられ、主にイナゴなどの昆虫にカルシウムとビタミンを加え、時折マウスや鶏肉、魚も補助的に与えられていました。

    プルゼニ動物園

    • プルゼニ動物園では、100×100×150(長さ×幅×高さ)のガラスケースで管理されていました。
    • ケースには、直径10cmの金網で覆われた通気口が3つ設置され、壁面の上部には10×100cmの通気口が設けられていました。
    • ケース内には人工の植物、木の棚、複数の枝がレイアウトされ、床材には木材チップが使用されていました。
    • 照明は、白色蛍光灯(18W)、Sere UV5ライトチューブ(18W)、T-Rex Active UV Heat(100W)で供給され、サーモグラフィーで管理されていました。
    • 室温は30℃に設定され、50×25×20cmの水皿が給水用に設置されていました。
    • 湿度は70%〜90%に保たれ、朝と午後に水が噴霧されていました。
    • 産卵用の床材にはピートモスを使用していました。
    • 餌は週2回のコオロギとマウスが主に提供され、時折イナゴに変更されることもありました。ビタミン補給としてNUTRIMIXが使用され、後にPLASTINに切り替えられました。

    交配と妊娠期間

    ケルン動物園

    • メスがオスに近づく行動が観察され、交尾期の始まりが確認されました。
    • 交尾後から産卵までの期間はおおよそ25〜35日で、交尾は常にコルク管の水平位置で行われたが、これは飼育環境のレイアウトに依存している可能性があります。
    • 妊娠中、メスは通常よりも頻繁に日光浴を行い、活動的な様子が見られましたが、産卵の直前には落ち着きを見せるようになりました。

    プルゼニ動物園

    • 初回の交尾確認後、一般公開は終了され、バックヤードで管理されるようになりました。
    • 約3週間後、メスの攻撃性が強まったため、オスはメスと隔離されました。産卵後2週間ほどで、メスの攻撃性が落ち着き、再びオスに接近する様子が確認されました。

    卵の推積と孵卵

    ケルン動物園

    • 交尾から約4〜5週間後に初めて産卵が確認され、4個の卵が見つかりました。
    • 卵は産卵床の上にそのまま産み落とされ、バーミキュライトと砂を2:1の割合で満たしたプラスチック容器に移し管理されました。
    • 最初のクラッチでは、温度29.3℃、湿度97%で保たれ、約154〜158日後に4匹の孵化が確認されました。
    • 2回目のクラッチでは3個の卵が産まれましたが、発育の兆候が見られず、腐敗してしまいました。

    プルゼニ動物園

    • 最初の卵は50〜55mmの長さと14〜18gの重さでした。
    • 産卵された卵は湿ったバーミキュライトで満たされた容器で孵卵され、28℃〜31℃の温度範囲で管理されましたが、温度や湿度による性別の固定化には至りませんでした。

    成長状況や産まれた幼体に関する詳細についてのリクエストがあれば別途記事にいたします。この記事が国内におけるコバルトツリーモニター繁殖の参考になることを願っています。

    参考文献: http://varanidae.org/Vol3_No4_Ziegler_et_al.pdf

    画像出典: Wikipedia

    学生の頃に一目ぼれした青いドラゴン、最近CBも出始めたからおとなしい子もいるのかな

    青いドラゴンが家にいる生活してみない?